資金繰りが悪化している企業に対しては、金融円滑化法という法律が施行され、 毎月の借入返済額の軽減、返済期間の延長、金利減免などの条件変更に金融機関が応じることでリスケ(リスケジュール)を図り 中小企業の経営を立て直すための協力がなされてきました。

しかし平成25年3月末に金融円滑化法の法期限が到来し、その措置も終了しました。

この間、中小企業が金融機関に借入条件変更を申し込んだ件数は280万件以上で 会社数にすると30万社~40万社にものぼると言われています。

リスケジュールしている中小企業は、法期限到来後は、条件変更が今までのようにはできなくなるため、今後は、経営改善を行い、事業の再生を図り、借入の返済が可能な体質に変換していく必要があります。

しかし、経営改善を図るための、経営改善計画、事業再生計画を中小企業自らが策定することは困難であるため 公認会計士や税理士等の外部専門家の支援が必要となってきますが、 中小企業の場合そのための費用負担を考えると計画策定も困難な状況です。

そのような経緯から、経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援事業が始まっています。

中小企業が、外部専門家(認定支援機関)のサポートを受けて経営改善計画を策定する場合に 経営改善計画の策定費用やデューデリジェンス費用、モニタリング費用の3分の2(上限200万円)を国が補助するというものです。

平成24年度補正予算ではこの経営改善計画策定支援事業に405億円の予算が組まれており、 約2万社(200万円×2万社=400億円)を対象とするとされています。

しかし、経営改善に取り組まなければならない企業数は2万社どころではないため、 早期に予算いっぱいとなり、 経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援事業が終了してしまう可能性も否定できません。

経営改善の必要に迫られている会社は早期に手を打つ必要があると言えるでしょう。